臆病者の謳うメメント・モリ

花田西宮の創作だったり日常だったりの一コマ一コマ

誰も護ってはくれない

そう、この地は神忘の里

クラウディアとソルは新しい職場に緊張の面持ちだった。深い森を前に嫌な汗が伝う。誰からも見放されてしまったかと錯覚させる薄暗い森に顔を見合わせる。そこに明るい声がかかった。
「どうも、後輩さん」
二人の世話役を任された少年、ジェダは緊張した二人を笑う。
「そんなに緊張しなくてへーき」
「…俺たちの仕事って」
「そう、この土地…森の奥にある土地に害をなすものがいないよう見張るんだよ。必要があれば撃退すること」
「この土地って?不気味なんですけど…」
クラウディアの質問にジェダは寂しそうに笑った。
「この世界で最も危険な土地だよ。…この世で唯一、神様がいない土地だ」

神様がいない土地に住む彼らとそれを守る人

【神忘の里(カミワスレのサト)】
リッチェル(ハクリュー♀)…神忘の里の長である少女。男勝りな口調。しっかり者だが内心こんな小娘に里の者がついてきてくれるか不安。森に捨てられた孤児を保護してる。
ベルガ(オノノクス♂)…リッチェルに敬意を払う青年。兄貴。明るいけど早とちりなところも。怪我で戦闘はリッチェルやヴィルヘルムやマフィンに劣る。
ヴィルヘルム(サザンドラ♂)…無口で目つきが悪い。ハイパー無愛想。なんだかんだリッチェルを認めてリッチェルに従う狂犬。里の戦士。
マフィン(フライゴン♀)…おっとりした里の女性。ほわほわしてる。喋り方がのんびり。でも接近戦が得意な里の戦士。子供達のお姉さん。
エリカ(ガーディ♂)…正義感強い少年。敵を倒すため特訓中。敬語で礼儀正しい。強い人に憧れる。素直。
エレクトラ(ピチュー♀)…見栄っ張りで負けず嫌い。お嬢様言葉の少女。分が悪くなると誰かの後ろに隠れる。自信があって他人想いの子。
ハナヨ(ヒメグマ♀)…引っ込み思案な女の子。キレたら容赦ない。耳がいい。力が強いのがコンプレックス。心優しい。
リーリー(ココドラ♂)…シャイな少年。知らない人に会ったら怯える。宝石を食べる異食の子。
マリア(ピィ♀)…喋ることが出来ない。精神的な者で信頼出来る人にのみ喋れる。おとなしい子。

【レンジャー】
ジェダ(ガブリアス♂)…ちょっと前にレンジャーになった青年。
クラウディア(ロズレイド♂)…新人さん。薔薇が身体に咲きその薔薇を食べれば怪我が治ったり病気が治ったり。クラウディアの命をもとに咲く。昔はアパタイトやセフィロトのもとにいた。正義感強い人嫌い。
ソル(ミロカロス♂)…新人さん。クラウディアと一緒にセフィロトとアパタイトの元から出てきた異形。身体中に鱗がある。見世物にされるのが嫌いです人の視線にこもる感情に敏感。頭がきれる。


よろしくお願いします

世界と僕と青空と

傷付いたあのこと結末と。


昔から人の夢が見れた。夜中に見るそれを食べてしまえば、食べられた人は何も覚えてない。
自分にとってそれは必要不可欠な栄養源だった。夢を食べなければ生きることは出来なかった。他の食べ物で生きながらえることは出来たが、健康とは程遠い空腹感。近くの民家や草木などから夢を食べて生きてきた。
生きていくうちにどうやら自分のような体質を抱えた奴らは案外その辺にいることを知った。ゴロツキ同然にそれらをまとめて世話をしてやれば彼らは随分と自分に懐いた。いつの間にやら、拾った子供達に随分と愛着さえ湧いてしまったようだ。
こいつらといるうちに一人また一人と異変が起きた。今まではその対象が今見ている夢を見て食べることしか出来なかったのに、それが変わってきた。
俺、スウェンはその人間が見た悪夢を見ることが出来た。そしてそれを食うことでそいつの悪夢、恐怖の感情を消し去ることが出来るようになった。
ヴィオルカはその人に迫る危機を見ることが出来るようになり、それを食べればその危機を回避することが出来た。
コーテルビアは対象のこれから現実に起こりうる出来事を見ることが出来るようになり、やはりそれを食べてしまえば彼が見た事態は回避出来た。
ロビンは人の感情を視認出来るようになり余計に臆病になった。それを食べれば嫌な気分も、明るい気分さえ消えていった。
喧嘩ばかりのティーアとスマイルはティーアは人の過去を、スマイルは人の未来を見ることが出来るようになった。人の末路を見るようになったスマイルはよく嘔吐するようになったし過去を見るティーアは人に対する値踏みが厳しくなったように思う。彼らが一度それを胃に収めてしまえば食べた分の過去も未来もねじ曲がってしまった。
シャトは人の思考、心の声が見えるようになった。人の考えを読めるせいで素直なあいつは周りに気味悪がられていた。それでもお人好しなあいつは傷付き悩んでいた。食べてしまえばその人の思考は別の思考へと移っていった。
フリオは人のトラウマを見た。あいつが軽い性格をしているのは自分が見る人の忘れたいまでの記憶から逃げる為なのかもしれないと思った。それでも約束を重んじるのは少しでも人のトラウマを減らしたいからかもしれない。あいつはトラウマを食べてしまうことが出来た。
まだ、レナードは何も開花していない。ただ唯一の女である彼女は随分優しかった。素直で明るく、人を応援する子だった。全員が可愛がっている彼女が自分たちのように嫌なものを見るようになってしまうのは嫌だと思った。

そんな能力が目覚めたある日俺たちのところにある女性が来た。儚い印象の驚くほどの美人だった。彼女は3人の人を従えて、自分を神だと名乗った。
「神様…ってなーに、それ。ジョークな訳?」
「バカバカしい」
ティーアとシャトが吐き捨てると従者と思しき一人が怒鳴る。
「ああ?てめーら目の前にいるのが誰だと思ってやがる。“騎士王”イナンナの前に不敬だろうが!」
「チェルノボーグ、おやめなさい。神の名など知る者が少ないのです」
イナンナと呼ばれた神が止めればチェルノボーグと呼ばれた青年は舌打ちをして顔を背けた。
「神様って、普段は無視ばっかするのになんで今でてくるんですか」
「俺の知る神様とやらは人との接触をしない」
ロビンとヴィオルカが言えばイナンナは頷いた。
「普段の私は世界に干渉しません。私の仕事は時計塔で世界をずっと見守ることですから」
「…イナンナって本当に実在した英雄、よね?」
ずっと悩んだ風だったコーテルビアがふとあげた声に神々は驚いていた。
「驚いタ。学校なんてアル世界じゃないカラネ。イナンナの名前を知ってるなんて博識ダ」
「すごーい」
感心したように言う青年と、ぱちぱち、と間の抜けた拍手をする少女。
「…いかにも。この世界に本当に神と呼べる御方はただ一人。他は私と似たような境遇の者ですが…貴方たちが神々の事情を知る必要はありません」
昔は騎士として闘ったという彼女の視線はコーテルビアの疑問を黙らせた。
静かになったところで神は再び口を開く。
「チェルノボーグ、カオス、アレス。説明を」
「うん。…えーとね、君たちが開花させてしまったその力…あるでしょ?それはちょっと見過ごせない大きな力かなって思ったんだ」
アレスと呼ばれた少女がそう言った。スウェン達は首をひねった。
「あのね、過去トカ未来トカを捻じ曲げるほどの大きな力を、流石にボクらは見逃せないって判断したんダヨ。…どうして知ってるノって顔してるケド、さっきも言った通りボクらの仕事は世界ヲ見守ることダカラ」
「つまり、お前らを俺たちの監視下に置くっつーことだ。イナンナの優しさに感謝しとけよ。わかったか」
カオス、チェルノボーグと説明が続きイナンナが頷く。
「本来…というか他の神に見つかった場合ならば力を奪還、あるいは貴方がたの始末という形ですが…私はそこまでの必要性を感じませんでした。だから貴方達を私の監視下に置くことで一つ対策とさせていただきます。…よろしいですか?」
こうして俺たちの居場所が出来た。慈悲深いというか甘いというか、とにかくその女神は監視対象とするためにか一つ居場所を俺たちに与えた。こうして出来たのがBAR-visionだった。

バーが出来た成り立ちは数年前、そういった事情があってのことだった。女神はごくまれにしか来ないがその従者たるチェルノボーグとカオスとアレスは頻繁にバーを訪れる。チェルノボーグとカオスはともかく少女の姿のアレスはバーでは浮いていたがそれでも頻繁にやって来ては飲んだり、メンバーと喋って帰った。
いつのまにか随分と親しくなったと思う。
そう、それは数年前の話である。そして今、普段ならば開店している時間に緊急閉店と書いた看板を立てていた。
ついさっき帰ったばかりの、このバーで働く唯一の女が原因であった。
「何があったの、レナード!」
コーテルビアが駆け寄った。最近夢に頑張ってる人がいるのだと、あの人を応援したいと出て行った活発な笑顔は今はなかった。唇を噛み締め目尻に涙を溜めた少女に普段の面影はない。服も引っ掛けてきただけと言った方がいいくらいに大雑把である。
「貴方…もしかして……」
震えた声で呟くコーテルビアにレナードは腕でごしごしと目元を拭って笑いかけた。笑顔とは到底遠い出来だった。
「なにもなかったよ、ルビア」
「何も…ってバカ…そんな風体じゃないわ…」
レナードを抱きしめようとコーテルビアはその手を伸ばした。しかしその手がレナードを抱きしめることはなかった。レナードの手によって弾かれたコーテルビアの手は空中で行き場をなくす。コーテルビアの格好は女のそれであるが、性はしっかり男である。それをレナードはよく知っている。男を拒絶するようなその仕草にコーテルビアの顔が歪んだ。
「おい…誰にやられた!」
「…ルビア、男が出てるよ」
コーテルビアの怒鳴り声にもレナードは笑ってかわすだけだった。騒ぎを聞いたのか仲間が奥から出てきていた。
「…何かあったの?」
ロビンがひかえめに尋ねた。コーテルビアは何も言わずにそっとレナードの姿が全員に見えるように下がった。
誰かが息を飲んだ。きっとコーテルビアの怒りの原因を悟ったんだろう。
「レナ、何があったか言ってみろ」
スウェンの言葉にもそっと首を振る。スウェンはこのメンバーをまとめ世話をしてきたリーダーだ。スウェンの言葉は優しかった。
「なにもなかった」
繰り返すようにそう言った。
「そうか。…レナ、てめぇに乱暴はたらいたのはどいつだ」
グッとレナードの拳に力がこもった。
「…マスター、あの人はちょっと間違えちゃっただけだよ、片思いしてるんだよ」
「片思いしてて何故お前がそんなことになってんだ」
レナードはそっと目を逸らした。
「…ティーア」
「うん。…レナ、見せて?」
ティーアはレナードの前にそっと膝を着く。普段はへらへらと軽い彼もさすがにこの状況で笑うことはない。レナードを真っ直ぐと見据えた。
「…レナ、どうして」
ティーアは過去を見ることが出来るが、ここにいる全員が似たような力を持っているのだ。それを防ぐ方法を全員知っている。レナードはティーアに過去を見せることを拒絶していた。
はあ、とコーテルビアがため息をついた。少しだけ落ち着いたらしい。
「ティーア、もういいわ。レナはお風呂に入ってらっしゃい」
レナードは頷いて店の裏へと入っていった。残されたのは怒りを燻らせた男だけである。
「…誰だよ」
「マジありえないんだけどー」
イライラとシャトは吐き捨てる。フリオも唇を尖らせて、口調こそ軽いものの怒っているとわかる声音だ。
「レナはどうして庇うわけ?」
「片思いしてるってレナ言ってたのに、どうしてレナに手を出すのっ!」
ヴィオルカとロビンも不服そうだった。レナードは彼らが大事にしてきたのだ。立った一人の女の子だと大切に男だけで育て上げたのだ。こんなことになるなんて、誰も思っていなかった。
「殺してぇ…」
低く呟かれた言葉はコーテルビアのものだった。自分の言葉にハッとして首を振る。
「あら、ダメね。感情が昂ぶるとすぐこれだわ」
女の口調で苦笑するがその目は笑ってはいない。コーテルビアは言葉だけでも女性に近いからか一番レナードに目をかけていた。

「ねぇ」
ふと、声がかかった。
あまり喋る方ではないスマイルの発した声だった。
「…何?ふざけたことだったら怒るよ?」
スマイルと喧嘩しがちなティーアは顔を歪める。そんなティーアをスウェンは視線で制しスマイルを見やった。
「落ち着いて、今はレナのことを見守ってやって欲しい」
「はぁ?何抜かしてんの?レナは傷付けられたんだよ?わかってる?」
噛み付いてきたのはティーアであったが他のメンバーも怪訝な顔をしていた。
「多くは見えなかったけど、一瞬だけレナの未来が見えた。…レナはきっと大丈夫だから、多分今はレナの未来に必要な痛さだから。…未来のレナ、確かに笑ってたから」
それだけ言うとスマイルは店の裏、おそらくは自室へといったのだろう。
全員がスマイルの言葉を噛み締めていた。

どれほど大きな痛みでも、それが未来に必要だというのだろうか。今この身を八つ裂きにせんとする痛みが、幸せに繋がるというのだろうか。
神はいると全員知っている。また、神がこちらに干渉しないこともよく知っている。
ただ、どうしようもない痛みを抱えたままそれが幸せに繋がると信じて進むことがこれほどまでにもどかしいことはなかった。




レナードは一回ジャックさんにバーで働いてるって言っててジャックさんがバーに来るけどシャトがジャックさんがレナードを襲った犯人って気付いてコーテルビアとかに丁寧に帰れっていう話とかないのかなって黙ります()
一応うちのゆめくいっ子もといBAR-visionの設定的なSSです…
拙い文ですがありがとうございました!

夢を見せておくれ

一文の得にもならないその夢を。


僕たちは夢を見る。
叶わない理想を、儚い願望を、拙い正義を。
それらの生む力は何にも勝る、極上のものだから。

夢を食らう者たちが集うちょっぴり特殊なお店、BAR-vision。
仄暗いバーで見る夢はいかほどか。

スウェン(フーディン♂)…物腰柔らかい店長。オフのときはめっちゃ口悪い。双子の兄弟を疑うレベルで態度が違う。人の悪夢を見て食べることが出来る。

ヴィオルカ(ヤドキング♂)…従業員。ただし生意気で働かない。育ちがいいらしく自分より下と思ったものの言うことはことごとく聞かない。夢を通してその人に迫る危機を察知することが出来る。

コーテルビア(ゲンガー♂)…女性言葉の青年。チーフというか従業員のまとめ役。〜ちゃん呼び。男という指摘は禁句。人の正夢を見て食べることができる。鋭い勘の持ち主で情報屋も営む。

ロビン(ホーホー♂)…臆病な少年。暴力とか嫌いな頼りない子。夢を通して人の感情を見ることが出来る。案外毒舌。

ティーア(エーフィ♂)…スマイルとは顔を合わせれば喧嘩三昧。飄々とした性格。へらへらしてる。自分に踏み込もうとする他人が嫌い。夢を通して人の過去を見ることが出来る。

スマイル(ブラッキー♂)…クール。表情筋は死滅してる。ティーアに一方的につっかかられてる。周りをよく見てる。自分に踏み込もうとする人は嫌い。夢を通して人の未来を見ることが出来る。

レナード(ムシャーナ♀)…むさ苦しいバーの紅一点。人が夢を追ってる姿が好きで人を応援出来るいい子。頼まれたら断れないいい子。控えめな子。

シャト(シンボラー♂)…褐色肌の青年。口がいいとは言えないが優しい。夢を通して人の考えを見通すことが出来る。そのせいで気味悪がられることも多いがそれでも人は放っておけない兄貴肌。お人好し。

フリオ(フォッコ♂)…軽い性格。でも約束などかきちんと守る律儀な子。人が傷つくのが嫌い。夢を通して人のトラウマを見ることが出来る。


よろしくお願いします∧( 'Θ' )∧

用の無い僕らの

大切な大切な繋がりを


鉄格子の嵌められた馬車、入れられた数人の彼ら。馬を操るのは奴隷商と呼ばれる少年。
近年は奴隷が減った。正しくは奴隷として捉えられる弱者が減ってしまった。奴隷商は手持ちの奴隷を売ってしまえば収入がなくなってしまう。最近は奴隷自身を買い取るのは相当な値に上り基本は奴隷を貸し出し決められた時間に決められた値段がつくレンタル式が主流になっている。
そんな中奴隷を扱いそうにない風体の子供と奴隷を乗せた馬車のお話。

リコット(モンメン♂)…奴隷商を営む少年。奴隷を扱うとは思えない優しげな雰囲気。おっとりしてて抜けてるところがある。自分が扱う奴隷を家族と呼ぶ変わり者。

ブルー(マリルリ♀)…奴隷に名前はないけど自分が奴隷として捉えられたときに持っていた唯一の持ち物がブルータイガーアイだったことからそう名乗る。自分のことは一切かえりみないが他人のためならどこまでも頑張れる少女。自分に自信がない。

(ニューラ♂)…奴隷の少年。悪戯が好きでリコットの間抜けっぷりを馬鹿にしてる。根はいいやつ。素直になれないだけでリコットには感謝もしてるし家族だとも思ってる。

(コジョフー♀)…明るい奴隷の女の子。好奇心が強く知識欲が多い。活発だけど物知りでもある。力持ちであり奴隷としての労働も難なくこなす。コジョフー♂は弟。

(コジョフー♂)…無口な奴隷の男の子。用心深い。力もあるけど手先が器用。人を傷付けるのが苦手。一度警戒をといたらひたすらに信用する。

(アブソル♂)…奴隷の少年。美形である。ただし態度がデカい。何故俺が働かなきゃならないんだって素で言うけどなにぶん見目がいいので許されてる。見目がいいので。


こんな奴隷達でございます…よろしくお願いします…(?)

甘くも苦く、どろどろと

私はそれでもこれを愛と呼ぼう。


言おうか言うまいか悩んだ末なのです。
これは私の小さな本音であり、また愚痴といい、それでいて私はあなたたちが好きだと言い張るのです。
私は責める気なんてさらさらない、むしろ私も同じ穴の狢であり責めることの出来る立場にないと思います。貴方がこれを読んで「私は悪くない」と言うのであれば私は笑ってそれが正しいと言います。貴方たちは何も悪いことはしておらず、これは私がたった一人で歪んだ捉え方をして嘆いているという表現が最もしっくりくるというものでしょう。
何度も繰り返しますが、これは歪んだ捉え方しか出来ない私が悪くて、貴方たちは何一つとして悪いことをしてはいないのです。この記事を読んで貴方たちは私を責めて嫌い罵る謂れはあれど、その逆は一切ないと明記させていただきます。

さて、本題に入ります。
読んで快いものではないことは確かなのですから、勿論進んで気分を害す必要はないのです。ただ私は文字に起こして今の気持ちを整理したいのです。
つまり、読むか読まないかは貴方次第であるのです。


単刀直入、CPの件です。
沢山の方と望んでその座をいただき、あるいは望まれてその座を差し上げました。私は自身の創作に魅力あるとは到底思えず、とても光栄であり幸せなことだと感謝させていただいております。
気になると言っていただければ飛び上がって喜びその子をもらっていただくことはこの上ない喜びであるのです。気になるとおこがましくも言って、その方を快くいただけたらならこれ以上ない喜びでしょう。

ここで話は変わりますが、私からこの方と組ませていただきたいと思ったCPというのは案外私と当事者の間で比較的よく話題にのぼるものとなっている気がするのです。気のせいだとは思いたいのですが、それでも振り返れば私から振ったものが多いのです。ええ、勿論そうじゃないものも多いのです。この時点でおそらく歪んだ解釈を私はしているのでしょう。謝って足るものではないとはわかっているのですが、私は最後にまとめて謝罪するでしょう。だからまずは最後まで話をさせてください。
その理由としては私が度々ネタを提供しているからではないか、と思うのですが、自惚れも多少は含まれているでしょう。
まず私は気になった方が出来た時点で私の中でこの子と組ませたらこんな感じになっていいんじゃないのか、あるいはこんな感じでもいいのではと、非常に申し訳ないのですが多少考えるのです。その上で申し込み、その妄想という願望込みで提案を行っているのです。組ませていただけるかもわからない状況でなんとおこがましいことか、なんとその方に失礼なことか!それでもそのあらかじめ用意した私の思う雰囲気で成り立ってしまうネタがあるのですから、なんと皮肉なことか。気になった時点でうちに組ませるべき者がいなければそれとなく考えまでした。断られたらどうするつもりかも今となってはその子達さえ結ばれた為にわからないではありませんか。正直に今、この話題においては罪悪感の象徴とも呼べると紹介しておきましょう。セカイはマホロバさんを、チェルシーはレイクさんを多少なりとも意識して存在していると。

それ以外で組ませていただけているCPというのは、あまり私にも把握できていないのです。
というと、私は基本誰と組ましていただいてもおそらく、長らく絡んでいれば根本的に合わない組み合わせなどないのだろうという考えから相手がこの子と組んでくれたらよいのではという意見に反対しません。複数あげていただいた場合には、お聞きした性格より乏しい想像力でいくつかのシチュエーションを考えたうえで良いと思った方を僭越ながら選ばせていただいております。ですが、私としてはそこまでで、おそらくその二人の雰囲気に関してはうちの子と組ませるにはこの子がいいんじゃないのかなと悩んだ末で推薦してくださった貴方の方が掴めていると思うのです。
いいえ、きっと私の空想力の及ばない範囲で彼らはきっと幸せにしている。そうに違いない、そう思わねば多少やりきれないものだってあるのです。
私から申し上げたにも関わらずにそのような状態になっている組だってあるはずです。私も偉そうなことなど言えないのです。ただし、私から振った話題である以上は私は一度はまだなんの関係もない時期にあさましくも思い馳せているはずですから、言っていただければそのCPに関して語りたいと思います。
きっと、皆様の意図あって選ばれた二人なら、雰囲気を掴み切れていない私の力量不足で届かない領域で幸せであると言えるのでしょう。そうであるならば私は何も言うことはありません。
ですが、ほんの片鱗でも構わないから、その世界を私に考えさせるだけのきっかけが欲しいのです。私の力量不足、あるいはひねくれた性格が全て悪いと言われればそれまでなのですが、それでも私には私今はっきりとネタを提供出来ると胸を張って言えるもの以外の幸せな絡みが、ただの一片も見えないのです。


さて、ここまでで私の言いたいことは全てです。
悪いのは全て私であり貴方ではないとわかっていながら、まるで罪をなすりつけるような言葉しか吐くことができないこの歪んだ心がおそらく私はしばらく許せないでしょう。
何も言わなくてもいいのです。見なかったことにして今までの通りに過ごしていただければ幸いです。
まるで甘えのようなこの文章が、貴方たちに考えさせて時間を割かせるような価値はないと思うのです。
甘えたがりの子供が喚いているだけですから、べつに私はこれを書いたあとにどうこうしようとは全く考えていないのです。

これ以上は書いても意味のない無駄なものになるのでしょうから、すべてを飲み込んで終わりにしましょう。
何度も繰り返した文句を言うと、貴方は悪くはないのです。ですから何も言う必要はありませんし、むしろ自分をそんな風に歪んだ色眼鏡を通して見ていた私を貶すべきなのでしょう。
そして、正直に言いますと今の私は楽しいから創作してるのではなく、やりたいから創作をしているのでしょう。ただ、それだけなのでしょう。

こんな汚い感情を抱えた私でも、私は貴方たちが大好きなのです。貴方たちの世界を愛してると言って過言ではないでしょう。


そのすべてを土足で踏み荒らした強盗犯の謝罪なんぞ、なんの価値も無いのでしょう。それでも謝らなければならないのでしょう。

本当に、ごめんなさい。

置いてけぼりと平行線

どうしても行けない、向こう側。


先日の時計塔っ子たちの紹介もかねて彼らの日常。

▫︎おやすみなさい、
エイデンが熱をだした。連日ゲームに熱中し、睡眠を疎かにしたのが原因ではないかと思われる。
「だから、一日安静にしてナサイってイナンナからのお達しダヨ」
子供達の保護者であるカオスは呆れたような顔をしつつエイデンを布団に押し返した。それでもエイデンは布団から這い出して腕を伸ばそうとする。
「…ゲーム…どこ…?」
「寝てなサイ」
先程から繰り返しである。だがエイデンだけに構っていられるほどここの子供達は手間のかからない子ではない。
「アレス」
カオスが呼んだ途端に小柄な少女がエイデンにくっつく。
「…アレス姉さん、風邪うつるよ」
迷惑そうに一睨み。目付きがいいとは言えないエイデンの睨みはなかなかに迫力があるのだが、今は熱のせいか半減している。もとより子供達は自分達と同じかもう少し華奢な体のアレスに強く出れないこともある。
「アレス、エイデンを見ててオクレ。起きようとしたりゲームに手を伸ばしたらぎゅってしていいヨ」
「うん、エイデン、ゲームはまた元気になったらね?」
アレスにエイデンの見張りを任せてカオスは他の子供達のもとへいく。
「ルクシエラ、あとで栄養を考えてお粥を作ってアゲテ?エイデンのために」
「わかった」
退屈そうにしているルクシエラはいわゆる天才だ。一度料理にもしっかり手を出したのだがやはりある程度のレベルにはすぐに到達したためにこちらも熱中することなく飽きたらしい。それでもシェフと言っても疑いないような料理は作れる。時計塔の皆のためにもよくその腕をふるっている。
ルクシエラが台所に行ったことを確認してエイデンの様子を見に行けば先程よりも部屋の人口は大幅に増えていた。
「元気になったらボクとおやつ賭けてまたゲームしよっか、エイデン」
「おねえ熱とかありえないよ。というか早く寝たらどうなの」
「熱で看病されるっていうのもありだよねー…ねえ僕に移して楽になる?」
「アンフェア今すごくキモいッスよ。そんな下心ありありな病人の看病なんてごめんッス」
「病気だって、フェリス。早く治ればいいよね」
「辛い?平気かい?」
心配してるようなしていないような。
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる子供達にカオスもなすがままだったアレスもため息一つついて部屋の外を指差した。
「病人の前で騒がしい。外に出て」
「お前達、休まるもんも休まらないデショ」
静かになった部屋で寝息を立てたエイデンにカオスとアレスは微笑んだ。

(こんなに愛されてるんだから、早く元気にね)

▫︎ぬくもりにつつまれて
私はフェリスと申します。プラナルッツ嬢のお気に入りのパペットです。
プラナルッツ嬢は幼い頃に人を信じられなくなって以来、私以外とは決してお話にならないようになりました。
そんな彼女は似たような、欠陥などと言いたくはないのですが、問題を抱えた子供達と出会ったのはきっと幸いでした。
彼らが互いに心開いた頃、無人の時計塔に彼らはたどり着きました。正しくは持ち主が留守にしていただけでとても怒られたのですが、管理人のイナンナ様は聖母の如きお優しい方でした。彼女は問題だらけの彼らを放っておけなかったのです。時計塔の一部を彼らの為に解放し世話を焼いてくれました。彼女の補佐の3人も彼女が頷くのならとよくしてくれました。
正直、彼らにこんなによくしていただいたのは初めてだと思ったのです。
だからこそ、からかいながらも、怒られたりしながらも彼らはイナンナ様を彼女から感じる母性からかお母様と慕い、補佐の方々を兄姉と慕うのでしょう。
この暖かな家族に囲まれたプラナルッツ嬢はいつか私を手放すのかもしれません。それはとても悲しいですが、私の我儘です。プラナルッツ嬢が前に進むならばその成長を喜ぶべきなのです。
ですから、その時までは貴方の話し相手として、コミュニケーションの媒体としてよろしくお願いします。

(その心を溶かしておくれ)

▫︎我が前に道はなく、
「ここは時計塔。最高神と呼ばれるお方さえ干渉を許されない不可侵の領域。帰りなさい」
イナンナは真っ直ぐに前を見てそう言い放つ。
「おお、怖い怖い」
にこやかに笑う男は掴み所がない。
「でも、気になるんだよねぇ、この近辺で目撃される子供って」
にこりと笑っている男にイナンナは答えず帰りなさいと言う。
「貴方、アパタイトとセフィロトにちょっかいを出しましたね?」
「ああ、知ってるのかい」
「ええ。ちょっかいをかけたのに、相手にされずみすみす人の世に逃すなんて何をしに行ったの?」
「さすがに辛辣だねぇ」
「イナンナの言う通りだろうが、愚鈍」
「役立たずなの?」
「引き止めに行ったんじゃなかったのカイ?」
「おや、補佐さん達もいたのかい」
いつの間にかイナンナの後ろに控えていた3人も会話に加わるが、前のイナンナの発言を邪魔しないために黙る。
「君たちは英雄王たちをどう思ってるんだい」
「アパタイトとセフィロトを許すことは出来ません、絶対に」
ふうんとあくまで男は興味なさげである。
「さて、貴方はまだ時計塔に入りたいと言うのですか、坊や」
「…貴女に坊やと呼ばれるのは本当に久し振りだ」
そんな言葉にイナンナはくすりと笑う。
「貴方が時計塔に入りたいと言うならば、私は貴方を殺す覚悟さえありますよ、坊や」
そういうイナンナの手の内に槍が出現する。そしてそれを真っ直ぐ男に構えた。
「…本気なの、騎士王?タブーだって犯すって?」
「坊や、本気とおふざけの境界は見極めなさい」
「…しょうがない、引くしかないようだねぇ」
そう言えば彼は踵を返す。彼の体はたちまち消える。
「…やっと帰ったなあいつ」
「迷惑なの」
「しつこいねぇ全く…ネ」
3人もそれぞれいつの間にか持っていたそれぞれの武器を下ろす。
「そう言ってあげないで、寂しいだけよ」
「それですむのか…」
「…関わると痛いほどにアパタイトとセフィロトの気持ちが分かりますね。こんなにも、」
こんなにも、その言葉は続かなかったが、補佐達には分かってしまった。
「…だからこそ許してはならないでしょう。あの子たちを。さぁ、無駄話はやめにして帰りましょうか」
何が正しいのかはわからないが、増えた家族を守りたいと思うのはきっと大罪を犯してさえ叶えたい想いなのだろう。
自分達は裏切ることが出来ず、アパタイトとセフィロトはその想いのために裏切ったのだろう。
この先はわからない、わかる者などいない。だからこそがむしゃらに前へと進むのだ。

(後ろに道が出来るのよ、それを人は人生と呼ぶの)



わりとやっつけですがこんな感じですん(わからない)

絶対領域、不可侵領域

エマージェンシー、エマージェンシー。


時計塔で世界の流れを穏やかに見守る彼女と、少し留守にした間に住み着いた侵略者たち。問題だらけのあいつらとぼくらの暮らし。


イナンナ(レジギガス)…時計塔に管理を任された女神。いつの間にか住み着いた子供を追い払うことも出来ず世話してる。穏やかな人。戦争などを何よりも嫌う人。困っていた問題を抱える子供を放っておけなかった。

チェルノボーグ(レジロック)…時計塔の管理を手伝う青年の姿の神様。血気盛んで子供に遊ばれてる。騙されやすいというか単純。真っ直ぐな人。信じた人のことはひたすら信じる。憎めない馬鹿。

アレス(レジアイス)…時計塔の管理を手伝う少女の姿の神様。暑いのが心底嫌いだが人に抱きつくのが好きな矛盾。ぎゅっぎゅは挨拶。

カオス(レジスチル)…爽やかなイケメンっぽい顔の時計塔の管理を手伝う青年の姿の神様。語尾カタカナで面倒くさい人。鬱陶しい。ウザい。でもめげない。顔は整ってる。

ルクシエラ(ハクリュー♂)…時計塔をイナンナが留守にしてた間に住み着いた子供。いわゆる天才で要領が良く、それゆえに熱中することもなくすぐに飽きてしまう飽き性の少年。わりと周り小馬鹿にしてる。

エイデン(ロトム♀)…どうあがいても引きこもニートなゲーマー。廃人ゲーはだいたいやりこんでる。クール気取ってるけど気取ってるだけで超子供っぽい。負けず嫌いで子供っぽい。一人称俺で男勝り。

ロンド(プラスル♂)…妹が行方不明になってから情緒不安定。嘘ばっかり言うようになった嘘つき。ウザい。明るいけどそれも嘘かもしれない。でも傷ついてもそれは嘘かもしれない。

エンジェ(ロコン♀)…自分の気に入った人以外を全力で見下してる少女。初対面とかまじ話しかけないで見知らぬ屑が状態。慣れた人にはツンデレに昇格するとても面倒くさい人。アンフェアの妹。

アンフェア(キュウコン♂)…エンジェの兄。やる気はない。ふらふらしてる犯罪者予備軍()「それもいいかもしれないね」で行動に至るある意味行動派の気まぐれ。気まぐれで犯罪とかに走りそうなレベルの気まぐれ。

シアングロウ(ニャオニクス♀)…ギャンブラー。賭け事のスリルに快感を覚える職質ものの危ない人。ゲームはなんでもそつなくこなすためわりと子供がいじめっ子に物取られてたらゲームで勝負して返してもらったりわりと格好いいギャンブラーやってる。

プラナルッツ(キノガッサ♀)…お人形とお喋り系女子。人形との会話で返事してくる。人形の名前はフェリス。(例:「何をしてるの?」「何をしてるように見える、ねぇフェリス。そうだよね、お散歩にしか見えないよね」)

クオーニア(ランクルス♂)…怪我してもすぐに再生、治癒する体の持ち主。崖から落ちても火事の家に取り残されても傷一つなかった。明るい性格。〜ッス口調。


ひょんなことから始まった居候との生活は、波乱と仲直りの繰り返し。

今のところ上手くやってるご様子。