臆病者の謳うメメント・モリ

花田西宮の創作だったり日常だったりの一コマ一コマ

2014-09-02から1日間の記事一覧

二人きりの世界

鍵を捨てた鳥籠。ドキドキと静かな夜に自分の鼓動がひどくうるさい。流れる不快な汗はぽたりぽたりと上着にまるで自分の中の不安を表すように染みを作る。音を立てずにベッドから降りて一直線に隣の部屋へ向かう。昔から人付き合いが上手くなかった。ありと…

誰も護ってはくれない

そう、この地は神忘の里クラウディアとソルは新しい職場に緊張の面持ちだった。深い森を前に嫌な汗が伝う。誰からも見放されてしまったかと錯覚させる薄暗い森に顔を見合わせる。そこに明るい声がかかった。「どうも、後輩さん」二人の世話役を任された少年…