臆病者の謳うメメント・モリ

花田西宮の創作だったり日常だったりの一コマ一コマ

2014-01-01から1年間の記事一覧

絶えることなき聖火よ

聖なる炎の皇子らよ焃獄卿朱雁とその子供達のお話庭園に押し殺したような泣き声が響いた。他の何も混じらない純粋な白き髪を持つ子供が泣いていた。唇を噛み締め、声を漏らすまいと、彼女程度の年頃ならばもっと感情的になってもいいだろうに彼女のもとより…

ここに正義は誓いをたてる

始動する、意地汚なく這いつくばるような物語。叢樹(そうじゅ)という言葉を耳にして快く思う人物は普通はいない。彼らがすることは一方的な蹂躙であり制圧である。残酷で一片の慈悲もない行いに人々は顔を背ける。それほどまでに彼らのしてきた悪道の数々は…

願い事を叶えましょう

くだらない、取るに足らない幻想を。その少年は街を歩いていた。ころころと変わる表情は年相応で見ていて気持ちがいい。そんな少年をじっと見ている姿があった。少年はふとその視線に気付いたようでその主を見やった。「何か俺に用事?」首を傾げて尋ねる少…

【随時更新】創作うちの子一覧【pkg外】

pkg以外のキャラの一覧ですー参考程度によろしくお願いします!時間があるときにぼちぼち作成アイドル緑原蛍高校生-3年-蓮美総月…鈴萄さん宅叶星さんの兄恋谷瀬尾-2年-高見透美濃龍規-1年-朝野杏奈恋谷イリーナ軍人-海軍-【中将】リカルド…瀬名宅紫蘭双葉さ…

烏の濡れ羽色の

私が見出した光。その目が嫌いだったのだ。見下すような、クズを見るような、自分がまるで全裸を見られているような屈辱と羞恥心を髣髴とさせるその目が、ウィンクスは嫌いだったのだ。服も髪も乱れ、目も当てられないような悲惨な状況の妹を見てさえ眉一つ…

二人きりの世界

鍵を捨てた鳥籠。ドキドキと静かな夜に自分の鼓動がひどくうるさい。流れる不快な汗はぽたりぽたりと上着にまるで自分の中の不安を表すように染みを作る。音を立てずにベッドから降りて一直線に隣の部屋へ向かう。昔から人付き合いが上手くなかった。ありと…

誰も護ってはくれない

そう、この地は神忘の里クラウディアとソルは新しい職場に緊張の面持ちだった。深い森を前に嫌な汗が伝う。誰からも見放されてしまったかと錯覚させる薄暗い森に顔を見合わせる。そこに明るい声がかかった。「どうも、後輩さん」二人の世話役を任された少年…

世界と僕と青空と

傷付いたあのこと結末と。昔から人の夢が見れた。夜中に見るそれを食べてしまえば、食べられた人は何も覚えてない。自分にとってそれは必要不可欠な栄養源だった。夢を食べなければ生きることは出来なかった。他の食べ物で生きながらえることは出来たが、健…

夢を見せておくれ

一文の得にもならないその夢を。僕たちは夢を見る。叶わない理想を、儚い願望を、拙い正義を。それらの生む力は何にも勝る、極上のものだから。夢を食らう者たちが集うちょっぴり特殊なお店、BAR-vision。仄暗いバーで見る夢はいかほどか。スウェン(フーディ…

用の無い僕らの

大切な大切な繋がりを鉄格子の嵌められた馬車、入れられた数人の彼ら。馬を操るのは奴隷商と呼ばれる少年。近年は奴隷が減った。正しくは奴隷として捉えられる弱者が減ってしまった。奴隷商は手持ちの奴隷を売ってしまえば収入がなくなってしまう。最近は奴…