臆病者の謳うメメント・モリ

花田西宮の創作だったり日常だったりの一コマ一コマ

SS

靴音響かせ、軌跡を辿る

忘れちゃいけない、日々の記憶。今の君を守ってくれるもの。うちの軍人たちのSSです。過去メインだったり。≫きらきらとひかるもの(円城寺雷兎&円城寺風兎)明るい日差しが柔らかく降り注ぐ中、公園では多くの子供が自由に駆け回っていた。甲高い声がそこかし…

絶えることなき聖火よ

聖なる炎の皇子らよ焃獄卿朱雁とその子供達のお話庭園に押し殺したような泣き声が響いた。他の何も混じらない純粋な白き髪を持つ子供が泣いていた。唇を噛み締め、声を漏らすまいと、彼女程度の年頃ならばもっと感情的になってもいいだろうに彼女のもとより…

ここに正義は誓いをたてる

始動する、意地汚なく這いつくばるような物語。叢樹(そうじゅ)という言葉を耳にして快く思う人物は普通はいない。彼らがすることは一方的な蹂躙であり制圧である。残酷で一片の慈悲もない行いに人々は顔を背ける。それほどまでに彼らのしてきた悪道の数々は…

願い事を叶えましょう

くだらない、取るに足らない幻想を。その少年は街を歩いていた。ころころと変わる表情は年相応で見ていて気持ちがいい。そんな少年をじっと見ている姿があった。少年はふとその視線に気付いたようでその主を見やった。「何か俺に用事?」首を傾げて尋ねる少…

烏の濡れ羽色の

私が見出した光。その目が嫌いだったのだ。見下すような、クズを見るような、自分がまるで全裸を見られているような屈辱と羞恥心を髣髴とさせるその目が、ウィンクスは嫌いだったのだ。服も髪も乱れ、目も当てられないような悲惨な状況の妹を見てさえ眉一つ…

世界と僕と青空と

傷付いたあのこと結末と。昔から人の夢が見れた。夜中に見るそれを食べてしまえば、食べられた人は何も覚えてない。自分にとってそれは必要不可欠な栄養源だった。夢を食べなければ生きることは出来なかった。他の食べ物で生きながらえることは出来たが、健…

置いてけぼりと平行線

どうしても行けない、向こう側。先日の時計塔っ子たちの紹介もかねて彼らの日常。▫︎おやすみなさい、エイデンが熱をだした。連日ゲームに熱中し、睡眠を疎かにしたのが原因ではないかと思われる。「だから、一日安静にしてナサイってイナンナからのお達しダ…

蜜の味、禁忌の味

罪悪感の味。るーくの言ってた秘蜜パロガロ雷たぎった結果()それは不慮の事故でした、その代償と言ってはそれはまた違うと思うのですけれど、俺は美しい人間に会いました。彼はどう見ても人間ではない羽を持つ俺の怪我を治療し面倒を見てくださいました。彼…

愛と絆と

スパイスに憎しみ。「わかったらさっさとどいてくれない?邪魔」ぞんざいな言葉を吐き捨てた白髪の人物は腕を組みいらただしげに道を塞ぐものを見る。「いいのですか」「さっきからそう言っているでしょ?耳が遠いの?」早くどけ、その人物の目はどんどん厳…

ないてる、ないてる

逢いたい、逢えない、沈んでく。リクは旅人だ。この広大な空間をただただ旅してきた。大地だって深海だって、何処へだって駆けつけた。故郷にない景色が大好きだった。周りは上下左右をなくしてしまうような暗い空間だ。ただ暗い訳ではなく、騒がしいまでの…

想い出の墓場

もうどこにもない記憶よ、眠れ誰かの日記。それの一部を抜粋していったもの。まず初めに。この日記を私の名前を取って01日記、ゼロイチ日記と名付ける。これは私があの息苦しい狭い世界から逃げた先で見たものを記録するものである。(ここから先は使用された…

陰日向

勿論ここは陰のほう緋雪ちゃんが怪我するシチュエーションを考えた()薄暗い建物の隙間に音もなく緋雪はその身体を滑り込ませる。緋雪としてはこんな小汚い場所にいるよりかはお風呂に入りたいというのが本音ではあるが、師匠から言い渡されてしまえば仕方な…

否定的な僕たちのための

何より暖かい日常(先日紹介した異形っ子たちの日常です)◼︎知るということ、昴はセフィロトとアパタイトが探し出し、自分達も手伝って住めるようにした家とも呼べぬ質素なものから少し離れた森の中の大樹に背を預け座っていた。皆同じ悩みを抱える彼らとは誰…

1と3の始まりは、

叢樹さんの一員、ガスマスクの子トライとモノのお話ーだと思う。モノとトライさんはこんな。軽い小話です。真白な二人だけの質素な部屋で少女と青年は過ごしていた。青年は考える、このままここで過ごしていいのかと。彼は自分たちはその場にいてはいけない…

君が笑うと世界が止まる

さっきの魔王様と花嫁設定です可愛いのあらぶるよ……SSその1アストのリオへの評価はちゅうくらい。ちょいちょい仲良くなりかけの時のお話。リオもジオリスクに惹かれつつある時期。「今日はこっちに行こうっと」そう呟くとリオは薄暗い廊下に足を進めた。彼女…